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コラム

遺言について(その4)(弁護士 松浦 里美)
 最後に,遺言の3つの側面のうちの「遺族や社会に対する最後のメッセージ」についてお話します。
 あくまでも,メッセージなので,法律上の拘束力はありません(いわゆる「付言事項」と呼ばれます)。ですので,書かれている内容を守るかどうかについては,メッセージを受け取った側次第ということになりますが,遺言を作るに至った気持ちを伝えることでトラブルが防止できる側面があることも否定できません。

 メッセージの一つの例をみてみましょう。
 「私は,永きにわたって苦しいときも楽しいときも側にいてくれた妻花子に感謝しています。愛情を込めて育てた太郎,次郎もそれぞれ独立し,幸せな家庭を築き安心しているところです。今後とも兄弟力をあわせてお母さんを大切にしてください。最後に,すばらしい妻,子ども達,孫達に恵まれたことに心から感謝します ありがとう。」

 話が少し変わって,「特に遺言が必要なケース」とは,どのようばケースを指すのでしょうか。
 どういう場合に遺言が必要なのか,と聞かれることが多いのですが,今まで述べてきたとおり,どのようなケースであっても遺言があるにこしたことはありません。
 しかし,敢えて「特に必要なケース」を挙げるとしたら,下記の場合でしょうか。

 ・ 兄弟姉妹の仲が悪い            ・ 子どもがいない,あるいは未成年の子どもがいる
 ・ 相続人の数が多い              ・ 自営業者である
 ・ 自宅以外に分ける財産がない       ・ 行方不明の相続人がいる
 ・ 離婚する前の配偶者との間にも,離婚した後の配偶者との間にも子どもがいる
 ・ 特定の相続人に沢山相続させたい,あるいは特定の相続人には相続させたくない

 要するに,相続人側の事情が複雑だったり,財産自体の行く末が心配だったりする場合には,遺言が特に必要なケースといえそうです。

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