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コラム

ある無罪事件(続編)(弁護士 真早流 踏雄)
 以前,このコラムに保険金詐欺事件の容疑者として逮捕勾留されて詐欺罪で起訴され,一,二審では執行猶予付きながら有罪判決を受けたものの,最高裁で何とか無罪になったA君のことを書きました。

 そのA君が,最近,奥様と一緒に当事務所にみえられました。
 その奥様は,裁判当時,A君と交際されていて,A君の身に降りかかった嫌疑を晴らそうと弁護団との打ち合わせなどにも参加されていた関係で何度かお会いしたことがありました。
 お二人は事件の後に結婚をされて,子にも恵まれ,一緒に協力しながら自営業を営んでおられるとのことで,元気にやっておられるようでした。
 そんなA君が,昔のように無邪気な笑顔を見せながら,ポツリと,「今の自分たちの人生があるのは,あの無罪判決があった御蔭です。」と呟やかれました。
 その言葉を聞いて,裁判で無罪になることは,単に刑に服さなくてよいというだけのことではなく,その言い分が認められたことを通して,個人として尊重されたこと,その後の人生を誇りを持って生きていくことができること,その故に,その後の人生を変えるだけの重い意味を持つことに気づかされた思いがしました。

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