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コラム

文字を忘れていく・・(弁護士 真早流 踏雄)
  パソコンの所為か,年のセイか,両方だろう。書けていた文字が書けなくなった。先日はカミさんの名を書けずに焦った(これはカミさんに言えない)。
 文字を書けるようにしたいと近所の習字教室に通うことにした。今年の1月のこと。63歳の手習いである。
 教室は低学年の小学生が大半である。男の子は,たいてい,寝ているか,騒いでいる。女の先生が何とか習字をさせようと苦労している。「早く書かンね。お母さんが迎えに来るよ!」と毎回何度も叫んでいる。男の子に比べて女の子は比較的真面目だ。不可思議な会話が飛び交う。女の子が「わたしは,頭が悪いンだ。成績が良くないから」と言えば,男の先生が「アンタは,頭が悪いンじゃない。集中力が足りないンだよ」と慰めている。女の先生が「ダレね!教室の鍵を閉めたのは。開けてきなさい」(外で入れない子が騒いでいる)と怒っている。
 小学生の中に突然おじいちゃんが入ってきたのでびっくりしているかも知れない。こうも年が離れるとさすがに私をいじめようとするものは居ない。よくいじめられた小学生の時よりもむしろ気楽だ。
 タテ,ヨコ,ハライから,次第に文字らしいものを書いていく。1文字,2文字,4文字,6文字と進んでいく。でき上がったら先生に見てもらう。良くできていると朱で花丸をもらえる。花丸をもらうのは何十年ぶりだろう。結構,うれしいものだ。
 先生からどんな字を書けるようになりたいのかと聞かれて「良寛さんのような字が書きたい」と答えた。しかし,実は,良寛さんの字を見たことはない。かってに頭の中でイメージしているだけだ。そのうち,良寛さんの字は無理としても,私なりの字が書けるかもしれない。

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