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コラム

刑事事件のはなし〜勾留延長の一部認容〜(弁護士 外山 亮)
 先日,勾留延長に対する準抗告が一部認められました。
 勾留延長とは,捜査機関が,逮捕後,捜査の必要性等があるとして,また被疑者の身体拘束の必要があると裁判所が認めた場合には,はじめに10日間の勾留が認められるのですが,その10日間で捜査が終了しないときには,さらに最大10日間の勾留が認められます。このことを勾留延長といいます。最大10日間なので5日とか7日とかの延長が認められることもあります。この勾留延長の判断は裁判官が一人で行うのですが,その判断に不服があるときには,準抗告という不服の申立てをすることができ,三人の裁判官で前の決定が正しいかどうかの判断がされます。
  今回,共犯者と二名で窃盗を行ったとして逮捕された被疑者の国選弁護人となりました(共犯者には別の弁護人がついています。)。事案としては単純だったので,10日間で捜査は終了すると思っていたものの,検察官から10日間の勾留の延長の請求をすると言われ,そのとおり,裁判官も10日間の勾留延長を認める決定を行いました。
 共犯事件であるときには,共犯者間の供述の裏付けもあるため,単独犯の事案よりも捜査に時間がかかることはわかります。ただ,単純な事案でもあったため,さすがに10日間の延長は必要がないだろうとして,勾留延長の裁判を取り消すよう準抗告の申立てを行いました(まずは,勾留延長をするな!ということを申し立て,仮に勾留延長をするとしても5日間だけにしろ!という内容の申立です。)。すると,裁判所から,勾留延長は認められるが本件においては10日間の延長までは認めない,6日間だけ勾留延長を認めるという判断がなされました。たかが4日間短くなっただけですが,警察署に勾留された場合の精神的な負担ということを考えると,被疑者にとってはよい判断をしてもらえたと思います。

  本件では,共犯者も,10日間の勾留の延長が認められていたこともあり,共犯者の処分を決する必要があるという理由で6日間の満期時において,処分保留釈放(一度釈放された上で起訴・不起訴の判断をする。)されました。本件被疑者は,処分保留となった後,公判請求(起訴)されましたので,今後裁判所で裁判を受けることになりますが,保釈等の手続を取ることなく自宅に戻れたことは良かったと思います。窃盗自体が許されるものではありませんが,適切な権利を確保した上で,責任を負担してもらう必要があると思います。

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